立夏
交通事故が起こるその瞬間に遭遇した。
一日に二度。
二度目は生まれて初めての救助活動までした。
散乱する車の破片、混乱する十字路。
頭から流血する男性に意識はあったものの、間違いなくどこかの骨があらぬ方へ行ってしまっていただろう。
救急搬送された彼は無事だろうか。
そうであることを願う。
安全運転、大事。
ゴールデンウィーク6日目、令和2日目、ビーチパーリィの日の出来事だった。
10日間の休暇は真昼の夢のように朧で、本当に10日も時が流れたのかいまいち実感がわかない。
5月の6日は立夏、暦の上では夏がやってきた。
最高の夏最高の夏と毎年繰り返されるお決まりのワードに僕は甘えていないだろうか。
僕は本当に真剣に夏と向き合えているだろうか。
二度と来ないこの夏を最高の夏とするために、本気で生きているだろうか。
夏はもう、始まっている。
さすがに五月の海は寒かった。
夏は始まっていなかった。
燃えるホタテ。
サークルでビーチパーリィした翌日には一人庭でバーベキュー。
夏を生き抜く他に余念はない。
ゴールデンウィークの終わりを嘆いている暇など、僕たちにはない。
やがて梅雨が来るだろう。
それが終われば、本格的な夏が始まる。
灼熱の季節が、心を焦がす。
五月病にやられている場合じゃない。
ギラつく太陽に負けないように、ヤツより熱い心へ鍛えていこう。
燃えていこう。
2019年、一度きりの夏がやってくる。
運転には気をつけつつ、命を燃やせ。